Q&A(想定問答)2022年2月8日
今回の休館延長や矢止めネット工事などに関し、これまで寄せられた質問・疑問や想定質問にお答えします。
会長 山中敬雄
Q1.過去に矢の飛び出し事故はどれくらいあったのか。またその対策は?
A1.下表に、過去の飛び出し事例と防止対策を示します。
年 | 月 | 矢の飛び出し、防矢ネット設置 |
2011年 (H23年) | | 矢の飛び出し発生(後ろの公園に飛んだ。詳細は 記録なく不明) 他にも、安土の屋根瓦に飛んだ事例あり |
| 年末 | (対策1)飛び出し防止対策として、射場前に 防矢ネット(1枚)を新設 |
2017年 (H29年) | 2月 | 午前の弓道教室の後に、個人練習していた女性 (有段者)が放った矢が、右上方向に飛び出し、 看的小屋の防矢ネットを越えて隣地の建物近くに 落ちた。 |
| 3月 | 夕方、個人練習していた男性(有段者)が放った 矢が、安土屋根の矢止め板を越えて、後ろの公園 に落ちた。 |
| 3月 10月 | (対策2)防矢ネットを二重化 (対策3)異常上方飛び出し防止のため、防矢 ネット3枚目をひさし先端に設置 |
2021年 (R3年) | 10月 | 弓道教室で、生徒(女性、段位なし)の矢が、 2回連続して飛び出した。1本目は、右横の白塀 を越えて駐輪場付近に落ち、2本目は、右看的小屋 の上方向に飛び、隣地との間の草むらに落ちた。 |
※対策は、豊中市と弓道協会が協議し、豊中市が実施しました。
※いずれの飛び出しも、落ちたところが無人で、人的・物的被害がなかったのは不幸中の幸いでした。
Q2.今までの矢の飛びだし事故は初心者によるもので、どれも教室の時に発生していると記憶している。普通の人の的前練習は認めてくれてもよいのではないか?
A2.表に示した通り、矢の飛び出しは有段者の個人練習時にも発生しており、弓道教室だけの問題ではありません。
上表の他にも、「ヒヤリ事故」がいくつか発生しています。
例えば、個人練習で大前で引いていた人(有段者)の矢が、審判席に飛び込んだ事がありました。誰も座っておらず、幸いガラスも割れずにすんだのは幸いでした。矢が安土の屋根瓦に飛んだことは、教室や月例会のときに何度か目撃されています。どれも一歩間違ったら場外に飛んだかも知れない事例です。
弓道場は、市民から見て安心安全な施設であるべきです。安全でないと思われてしまったら、弓道場の存続すら危なくなってしまいます。
豊中市が、矢止めネット完成までは的前練習を禁止したことは、私たちにとっては大変痛手で残念なことではありますが、安全はすべてに優先します。どうかご理解ください。
Q3.射場前の防矢ネットではなぜダメなのか?
A3.表にあるように、約10年前の2011年(H23年)に最初の射場前防矢ネット(1枚)が設置されました。後ろの公園に矢が飛び出したことがきっかけだったと記憶しています。この防矢ネットで矢の飛び出しは防止できるはずでした。
5年ほどは順調だったのですが、2017年(H29年)に、2ヶ月続いて飛び出し事故が発生しました。2月の飛び出しのときは誰も見ておらず、矢の飛んだ方向と防矢ネットの傷穴の位置から、矢が防矢ネットを貫通した可能性が考えられました。そのため、防矢ネットを二重にする対策が実施されました。
次の3月の飛び出しは目撃者がいて、矢の後ろ側が防矢ネットの下端に触れて角度が上向きになり、後ろの公園に飛び出したことが確認されました。この上方への異常飛び出し防止対策として、防矢ネット3枚目(ひさし先端上部)が追加されました。
昨年10月の飛び出しは目撃者があり、2本とも矢の後ろ側が防矢ネットの下に触れて矢の向きが急激に変わり、射場外へ飛び出したことが確認されました。
結果論ですが、射場前の防矢ネットは、矢の後ろ側が触れて予測不能な飛び出しとなる原因だったといえます。
矢道を横断する矢止めネット完成後は、射場前の防矢ネット3枚は全て撤去される予定です。
Q4.11月からの工事で右塀側の防矢ネットが射場近くまで延長されると聞く。それができれば右横への飛び出しは防止できるのだから、異常飛び出しの原因となった射場前の防矢ネットさえ撤去すれば、それでよいのではないか?
A4.確かに、昨年10月の右横に飛んだ矢は角度が低く、右塀側の防矢ネットがあれば飛び出しは防げた可能性はあります。
しかし、射場前ネットがなかった時代にも矢の飛び出しがあったことを忘れてはなりません。やはり安全対策は必要であり、「矢止めネット」や「矢止め板」は、弓道場の安全対策としてもっとも有効な設備です。
本来なら、30数年前のひびき弓道場建設のときに、「矢止め板」も設置してくれていたらよかったのにと、少し残念に思います。
ひびき弓道場は、市民から不安に思われることなく、弓道愛好者のためにこれからも永く続いて行かなければなりません。今回の安全対策工事は、ひびき弓道場を永続させる百年の計とご理解下さい。
Q5.矢止めネット工事期間はもっと短縮できないか?
A5. 矢止めネット工事は豊中市の令和4年度予算で行われるため、現時点では工事会社も決まっておらず、工事期間・完了予定日は未定です。弓道協会からは、豊中市に対してできるだけ早く弓道場が再開できるよう、全体スケジュールの短縮を繰り返し要請しています。豊中市も理解してくれていますので、市の努力を待ちたいと思います。完成スケジュールは分かり次第、ホームページ等でお知らせします。
Q6.ひびき弓道場の射場内利用(巻藁練習)について、射場内しか利用できず的前が引けないのなら、利用料金は通常料金よりも安くしてもらってもよいのではないか。
A6.利用者としてはもっともなご意見です。しかし、市の体育施設の利用料金は条例で定められており、射場のみの利用だからといって、個人利用料金や専用使用料金を変更(減額)することはできないとのことです。(利用料金を変えるには、市議会を動かすしかない?)
通常の、ひびきが受け付けての個人利用だと、通常料金(400円)となってしまいます。
そこで今回は、弓道協会が専用使用で借りて、その専用利用料金に相当する額を平均参加人数でならして、参加者から一律の利用料金を徴収することにします。利用料金は、一人1回200円~300円程度となる予定です。
今回のアンケート調査で参加希望人数を把握できたら、3月の利用開始までに開催頻度や時間帯、利用料金などをお知らせします。
以上。
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